vMix ハンズオン【第3.5回】「Audioについて・補足」

前回は → vMix ハンズオン【第3回】

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0. 前回いくつか書き忘れたこと

前回書き忘れた事が幾つか有るので、「第3.5回」として補足します。

1. 訂正

前回の「Audioはどのように再生されるのか」で『デフォルト動作をキャンセルしたい場合は、 Inputの「⚙」→「General」→「Automatically Mix Audio」のチェックを外す』と書きましたが、Automatically Mix Audio だけではなく、 「Automatically Play with Transition」と「Automatically Pause after Transition」も外す必要があります。 詳しくは本投稿の「Input Settings の関連設定 」を参照してください。

2. Audio用のInput

Audio

wav を始めとして mp3 や m4a 等、音声ファイルを Input として読み込めます。映像部分はTransparent(透明)となります。

ループしたい場合は、Input の「Loop」ボタンを押して有効にしてください。 尚、お尻と頭をスムーズにつないでくれるとは限りません。微妙なギャップが入る気がします。 BGMループさせたい場合は「コピペでループさせた超長い音声ファイル」を作るのがよいでしょう。

プレイリストを作りたい場合は、List という Input を使用します。こちらについては後述します。

Audio Input

ネーミングがAudioと混同し易いですが、「Audio Input」は任意のAudio入力デバイスを Input として追加します。 映像部分はTransparent(透明)となります。 パソコンに搭載されたサウンドカードの Line In や Mic In の音声を取り込むために使用します。

ちなみに、vMix の OUTPUTS を入力として使用するともできますので、より複雑な Audio のルーティングが可能です(使う頻度は少ないので解説は割愛)

デスクトップの音を取り込みたい

第1回 で説明した通り、vMixはデスクトップ音は取り込みません。 これはサウンドがループする事故を防ぐのにかなり有効です。

しかし、ど――――――してもデスクトップ音を取り込みたいと言った場合は、非常の手段が無い訳ではありません。 と、言うか、そのための手段は古来より存在しています。

みんな大好き!「ステレオミキサー」

ステレオミキサーを Audio Input として追加すれば、パソコンで鳴っているAudioをvMixに取り込むことが出来ます。

尚、釈迦に説法だと思いますが、ステレオミキサーは、それを搭載しているサウンドデバイスで再生されているAudioのみ取り込むことが出来ます。 つまり、HDMIに出力しているAudioを、オンボード・サウンドデバイスのステレオミキサーで取り込むことが出来ません。

ステレオミキサーが無いサウンドデバイスを使用している場合は、 仮想的なステレオミキサー付きのサウンドデバイスを作るソフト を利用するのも一つの手です。 と、言うか、こちらの方がループの事故率が低くなるのでお勧めです。

List

VideoだけでなくAudioも追加できるプレイリストです。複数の音声ファイルを追加すれば、順に再生してくれます。 プレイリストを繰り返し再生したい場合は「Loop」ボタンを押して有効にしてください。 尚、曲間はほとんどギャップが入らないので注意してください。

3. Transition との関係

Audio がセットされた Input を Transition で Output に出したり引っ込めたりする場合、 Audioは Transition と同じ Duration(期間)でフェードイン・アウトが行われます。 例えば、500ms で映像をフェードインする場合は、Audio も 500ms でフェードインします。 問題は、映像と Audio の Duration を別々に設定することが出来ないので、映像に合わせると Audio の入り方・切れ方が唐突すぎる感じになってしまうでしょう。 Audio は Transition に任せず、別途フェードイン・アウトを行った方が良いと思われます。

4. フェードイン/アウト

では、vMix上でAudioのフェードイン・アウトをしたい場合は、どうしたらいいんでしょうか?
フェーダーをマウスでドラッグする? 実は、そんな事する必要ありません。第4回で解説する予定の「ショートカット」を使えば自動化できます。詳細は次回を参照いただくとして、手順だけ示します。

  1. 「Settings」→「Shortcuts」を開き「Add」で新しいショートカットを追加してください
  2. 「Key/Control」は好きなキーを割り当ててください。ここでは「F1」とします。
  3. 「Function」は「SetVolumeFade」を選択。
  4. 「Input」はフェードイン/アウトさせたいInputを選択。ここでは BGM の Audio Input を選択します。「Active」を選ぶと、現在Outputに有るInputが対象となります。
  5. 「Value」には次の形式で設定を記入します。
    フェーダー位置(%),duration(ミリ秒)
    例1: 100%まで1秒でフェードイン → 100,1000
    例2: 0%まで3秒でフェードアウト → 0,3000
  6. 更にフェードイン(アウト)のショートカットを作りましょう。

後は、割り当てたショートカットキーを押下すれば、フェードイン・アウトが実行されます。ショートカットはvMixのウインドウがアクティブの時だけ効くので注意。 そして、あくまでもフェーダーワークの自動化なので、Outputへの出し入れは別途行ってください。

事故多発地帯です!ショートカットによってフェーダーが自動操作されるので、フェードアウト中はフェーダーが操作できず、再び音を鳴らすにはフェーダーを上げてやる必要があります。

5. Input Settings の関連設定

Automatically mix audio

Input が Output に送られた場合、Audio を自動で ON(ミュート解除)/OFF(ミュート) するかどうかの設定です。

デフォルトで「ON」になっています。

Automatically Play with Transition

Input が Output に送られた場合、自動で再生を開始するかどうかの設定です。Output から下げられた場合も自動で一時停止するかどうかは 「Automatically Pause after Transition」の設定に依存します。

デフォルトで「ON」になっています。

Automatically Restart with Transition

Input が Output に送られた場合、自動で再生位置を先頭に戻すかどうかの設定です。 自動で再生開始するかは「Automatically Play with Transition」の設定に依存します。 また自動で Audio を ON するかどうかは「Automatically mix audio」の設定に依存します。

デフォルトで「OFF」になっています。

Automatically Pause after Transition

Input が Output から下げられた場合、自動で一時停止するかどうかの設定です。

デフォルトで「ON」になっています。

6. 今回はここまで

未だ何か忘れてる気もしますが、とりあえずAudioに関する補足は以上となります。 それでは次回のアップまで今しばらくお待ちください!

次回は → vMix ハンズオン【第4回】