vMix ハンズオン【第2回】「Inputの仕込みについて」

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1. vMix の利点ってなに?

vMix を日本で一番熟知している(かもしれない)筆者がお送りする vMix の使い方、「vMix ハンズオン」の第2回となります。今回ははず、vMixの利点をお話ししたいと思います。

第1回目に書いとけよという突っ込みはさておき、筆者がこの配信ソフトをメインで使い続けているのにも訳があるのです。それこそ、他の配信ソフトを使う気にならないくらいに・・・。

(1) 全部入りである

(4K以上のエディションであれば)筆者が必要と考える機能はすべて網羅されています (*1)。

例:複数配信、リプレイ、スティンガー・トランジション、仮想ビデオ出力、外部コントローラー、WEBインターフェース、AGC、コンプ、ノイズゲート、EQ、VSTプラグイン、クロマキーヤー、WEBブラウザソース、NDI、SRT以下略。

(2) 豊富な出力

出力先が豊富なのも、この手の配信ソフトとしては特筆すべき能力を持っていると思います。 複数モニタや、仮想カメラ出力は当然として、NDIやSRTによるネットワーク出力も対応しています。

変わり種としては、Blackmagic Intensity Pro 等を使用した、外部レンダラーへの出力があります。 これはIntensity ProのHDMI OUTをモニター出力として使用できるものです。

Audio出力も、マスターの他にヘッドホン出力、多数のバス出力を搭載していますから、 マルチチャンネルのサウンドカードを生かすシステムが構築できます。

収録は、アウトプット録画の他、アウトプット・Camera入力・NDI入力・SRT入力を、 それぞれロスレスを含む編集使用可能な品質で収録出来る、マルチコーダーを搭載しています (*2)

ビデオミキサーでおなじみのマルチビューも出力可能ですし、そのレイアウトをカスタマイズすることもできます。

(3) 多彩な操作方法

強力なショートカットとマクロ機能を持ち、キーボードはもとより、MIDI接続の外部コントローラ、ジョイスティック等にショートカットを割り当てることが出来ます。Elgato Steam Deckにも対応しています。 これだけだと、他の配信ソフトでも有りそうな機能ですが、各ショートカットをWEBコントローラーとして登録できます。WEBコントローラーはブラウザでリモートからvMixを操作できる機能で、昨今のリモートワークにうってつけの機能と言えるでしょう。

ソフトウェア開発者向けの機能にはなりますが、HTTPアクセスでvMixをコントロールするAPIも搭載しています。 VBScriptによるスクリプティングもありますから、ソフトウェアによる自動制御もできます。

(4) 無制限に等しいインプット数と、重ね合わせ

インプットの数は HD エディション以上なら1000と、事実上無制限と言えます。 これを1インプットにつき最大10レイヤーで重ね合わせることが出来ますので、事実上重ね合わせも無制限と言えます (*3)。 あとは、PCの頑張り次第と言えます。 また、4つのオーバーレイと2つのスティンガーレイヤーを持ちます。これは一時的な重ね合わせに使用されるもので、 例えばネームテロップを出したりとか、場面に応じてCGエフェクトを乗せたり等に使えると言えます。 インプットの重ね合わせはオペレーターの画面からは隠蔽されるので、一度仕込んだら後は見えてるものをクリックして出すだけ、というオペレーターフレンドリーな仕組みと言えます。

(5) 多様なデータソースに対応

データソースとしてソーシャルメディアやクラウドから色々なデータを引っ張って来て表示することが出来ます。 データ形式もエクセルやCSV、JSON、みんな大好きGoogle Spreadsheet等。外部に構築したWEBシステムと併用すれば無限の可能性が開けますね。

(6) 安上がりである

ソフト自体安くはないですが、お値段以上ニ○リとはよく言ったもので、立派な配信PCシステムさえあれば、7万円かそこらのソフト一つで映像もAudioもデータ表示も処理できるので全体的に見て安上がりです。システムとオペレーターの技量によってはワンオペも可能(*4)です。 予算の都合でワンオペにならざるを得ない現場も多いと思いますが、クオリティの要求は高まるといったこのご時世の救世主になるかも? 鍵となるのはマクロを利用した自動化ですね。自動化してクオリティを上げながらも事故率を減らしつつ人的コストを抑えましょう!


(*1) 実は1個だけついてない機能があり、それが任意時間のディレイ機能です。短いディレイは可能ですが、長いディレイは入れられないです(特定ジャンルだけに必要な機能ですが)。長いディレイはストリーミングサーバーか、配信プラットフォーム側で入れましょう。

(*2) 4K, PRO エディションのみ。

(*3) 重ね合わせが10レイヤー以上必要な場合はカスケードすればよい。

(*4) ワンオペを推奨しているわけではないです。ワンオペをしなければならない場合にどう対処するかという問題です。

2. 素材を追加しよう

長々と利点を説明したところで、ここからが本題になります。 今回はインプットの仕込みを実践したいと思います。

利点でも書きましたが、HD エディション以上なら1000までインプットを作成できます。 インプットごとに10レイヤーのMulti Viewを持ち、他のインプットを重ね合わせることで画面を作り込みます。 配信のシナリオに合わせて必要な画面を作っていく事になります。

前準備として、新たに空のプリセットを作成して(前回参照 )ください。

(1) メディア素材

まずは、素材を全部読み込んでしまいます。 画像や動画類は、フォルダーからのドラッグアンドドロップで追加することが出来ます。

配信ではアルファチャンネル(透過)付きの素材を扱う事が多いと思いますが、 素材をvMixに読み込んだ時に、「なんか想定よりも薄いな(暗いな)?」と感じることがあるかもしれません。

その場合、素材が「Premultiplied Alpha」で保存されている可能性があります。 Premultiplied Alphaでは、画素のRGB値に、予めAlpha値を掛け算してあります。 これは、合成処理を軽くするために前処理が行われている物です。

インプットのギアアイコンをクリックし、「Colour Adjust」→「Premultiplied Alpha」にチェックを入れる事で対応可能です。

(2) カメラソース・キャプチャソース

次にカメラソースやキャプチャソースを(有れば)追加してください。 Add Input から Camera を選択し、WEB CAM、またはカメラやゲームコンソールが接続されたキャプチャデバイスを選択してください。 Resolution や Frame Rateをはじめとしたデバイスの設定は、デバイスごとに異なります。 表示されていても使えないものもあります。ここはキャプチャデバイスに関する経験と知識が必要な部分です。

ここまでの仕込み作業で以下の様になりました。

(3) タイトル

書き換え可能なタイトル(テロップ)素材を追加しましょう。 vMixにおけるタイトルはTitle Designer、またはより高機能な GT Title Designer (*1) で作成できます。

ここでは、簡単なテキストタイトルを差し込むだけとしますので、無印Title Designerの方で作成したいと思います。

Windowsのスタートメニューから、vMix → Title Designer を起動してください。 起動すると以下の様な編集画面になります。

「New」をクリックして、解像度 1920 x 1080 を選択してください。

次に「Add Text」をクリックして、テキストレイヤーを一つ追加します。 想定される表示文言をテキストで入力します。尚、この文言は vMix 内で設定できるので、ここでは仮でOKです。 また、ドラッグで位置とサイズを変えられますので、画面内の目的の位置に配置してください。 微妙な調整をしたい場合は右のペインにあるプロパティから、数値入力で調整することが出来ます。 位置は最悪 vMix 内で調整できますが、領域のサイズがここで決まってしまうので、 想定される文言が折り返さずに収まる様、サイズを設定することが肝要です。

更に、テキストのスタイルの調整をしましょう。フォントと色・装飾(*2)を右ペインのプロパティから設定できます。

場合によっては、テキストの下に座布団(背景画像)を敷く事もあると思います。 その場合は、「Add Image」で画像を追加してテキストの下に敷いてください。 プロパティの「ZIndex」で表示の優先順位を設定できます。値を大きくするほど上になります。

また、ゲームなどのキャプチャ映像に乗せたい場合や、ネームテロップのように演者の下に置きたいといったこともあると思います。 その場合は、生カメ映像やキャプチャ映像のサンプル画像を作って、Background Imageから読み込み、 その上にタイトルを配置することで調整してください。  終わったら Background Image は削除してください(「Browse」の横の×ボタン)。

出来上がったら「Save」または「Save As」で xamlファイルとして保存してください。

vMix に戻り、保存した xaml ファイルをフォルダからドラッグアンドドロップするか、「Add Input」→「Title / XAML」で追加してください。 追加すると Title Editor が開きます。ここで実際に表示させたい文言を設定します。

尚、このTitle Editorは、インプットの右クリックメニューから「Title Editor」を選択することで開くことが出来ます。

XAMLファイルは同じで(デザインは同じで)、異なる文言のインプットが必要な場合は、同じファイルをもう一度追加するか、Virtual Input (*3) を作成し、別のインプットとして扱ってください。 後々の画面作りのため、もう一個テキストタイトルインプットを作っておきましょう。


(*1) GT Title Designer は、より高機能なタイトルエディターで、4K エディション以上でフル機能が使えます。

(*2) DropShadow, Stroke(縁取り)が使えます。縁取りは内側に出来るので、FontWeightを太めにして使いましょう。

(*3) Virtual Input については後ほど説明しますが、ここではインプットのコピーのようなものと認識してもらえばOK。

(4) デスクトップウィンドウ取り込み

今回、コメントビューワーを使って、視聴者コメントを配信画面に乗せたいと思います。 実際のコメントビューワーはお好きなものを使って頂くとして、ここでは YouTube Live のコメント欄を取り込んで表示することとします。 「Add Input」で「NDI / Desktop Capture」→「Local Desktop Capture」から、コメント欄のChromeを探して選択。 次にWindow Capture Methodを選択してください。アプリによって使える物が違いますが、描画にGPUアクセラレーションを使っているアプリ(GPUアクセラレーションONのChromeが該当)場合は、WindowsGraphicsCaptureまたはDWMを使用してください。 また、今回は例として YouTube のコメント欄を取り込みますが、後述する背景の透過処理を行う為、YouTubeのテーマを「ダークモード」としておきました。

どれがコメントのブラウザか分からない? そういった場合は、一旦適当なブラウザを取り込んでみて、 万が一間違っていたら、インプットの右クリックメニューから取り込むウインドウを変更できます。

うまくvMix上に取り込めたら、クロッピングや背景透過を行います。 インプットのギアアイコンをクリックして設定を開き、「Colour Key」を選択「Luma Key」のスライダーを調整して、ちょうどいい感じに背景が抜けるくらいにします。「Luma Key」は「明度」をキーにして透過させるもので、指定した明度よりも暗い部分が透過になります。

次にクロッピングで不要な部分を切り取ります。「Position」を選択し、左上のプルダウンが「Main」になっていることを確認し、 Crop X1, Y1, X2, Y2 のスライダーで切り取り範囲を設定します。「X1, Y1」が範囲の左上、「X2, Y2」が右下の座標になります。マウスホイールで1単位の微調整が出来ます。 ちょうどウインドウの枠やタイトルバー、メッセージ入力欄などが隠れたらOKです。

3. 素材の種類ごとに、インプットを仕分けしよう

vMix ではインプットごとに色付きの「Category」で仕分けすることが出来ます。 今回は

  • 静止画像・タイトル素材は「青」
  • カメラ・キャプチャソースは「水色」
  • 中間合成のインプットは「紫」
  • 最終合成結果のインプットは「赤」

の様にします。 多数のインプットを扱えるソフトですので、増えてくると目的の物を探しづらくなりますから、常日頃から仕分けする癖をつけましょう。

Category仕分けは、インプットのギアアイコンをクリックし、「General」の「Category」で色を選択して行います。

Categoryでのインプット絞り込みは、一覧の上にある色のタブを選択することで行います。 また、タブを選択した状態でインプットを追加すると、選択中のCategoryに追加されます。 更に、タブを右クリックすれば、Categoryに名前を付けることが出来ます。

4. 画面構成を決めて Multi Viewで重ね合わせをしていこう

今回は、筆者が趣味でやっている車載配信を例にとって、画面構成を以下の様にしたいと思います。

  1. 開演前蓋絵(テキストタイトル入り)
  2. 閉演後蓋絵(テキストタイトル入り)
  3. 車載カメラパターン1(コメントビューワー、オーバーレイ有り)
  4. 車載カメラパターン2(コメントビューワー、オーバーレイ有り)

こんな感じです。 車載カメラを二つのパターンに分けたのは、画面の右側にコメントを表示するか左側にコメントを表示するか、状況に応じて選びたいからです。

(1) 開演前蓋絵

まず、ベースとなるインプットを作成します。素材のインプットをそのままベースとして使ってもいいのですが、おすすめは Blank を作る事です。 Blank は「真っ黒」なインプットで、その上にMulti Viewで他のインプットを重ねて行きます。 最終合成結果は「赤」のラベルとしていますので、「赤」のタブを開きます。 次に、「Add Input」の右にある「▲」をクリックして「Blank」を選択してください。真っ黒なインプットが一つ出来上がりました。

次にインプットのギアアイコンをクリックし「Multi View」を開きます。以下の様に1~10のプルダウンがズラリと並びます。1番が最下層のレイヤーで、 数字が大きくなるほど上層のレイヤーになります(Photoshop等とは表示順が逆なので注意してください) まずは蓋絵を作りますから、1番 には蓋絵の静止画インプットを選択してください。その上のレイヤーにテキストタイトルインプットを選択します。 この時、重ね合わせるインプットが少ないのであれば、広く使うのが、後々差し込みの融通が利いて良い感じです。 今回は静止画とテキストタイトルだけですから、5番にテキストタイトルインプットを選択します。

レイヤー毎の位置が気に入らない場合は、ここで調整が出来ます。 2番にテキストタイトルの下に敷くテクスチャを用意しました。ただ、表示位置を調整しないと使えない素材です。 「Multi View」 の2番の「Position」をクリックすると、2番だけの、Multi View における位置とサイズ、およびクロッピングを調整できます。 己の感性に従ってベストな位置に調整してください。位置調整は、プレビューエリアでドラッグすることでも行えます。

今回は不要ですが、一時的にレイヤーの表示を消したい場合は、チェックボックスからチェックを外すことで行えます。

最後にインプットの名前を「General」→「Name」で、「蓋絵(開演前)」と設定します。

(2) 閉演後蓋絵

更に閉演後の蓋絵も必要ですから、もう一つ蓋絵のインプットを作ります。

さて、ここで楽をしてPosition合わせまで省略したいと思います。 Virtual Input は、ソースを共有した複数の仮想的なインプットを作成する機能です。何を言っているか分からないかもしれませんが、 一つ例を挙げれば、通常、1つのキャプチャデバイスからは一つのインプットしか作れません (*) が、Virtual Input を使えば、 同じキャプチャデバイスをソースとするインプットを複数作ることが出来ます。 さて、Virtual Input の更に便利なところは、Multi Viewを含む設定もコピーしてくれるところです。 先ほど作った開演前蓋絵のインプットの Virtual Input を作りましょう。インプットのギアアイコンをクリックし、 「General」→「Create Virtual Input」を実行してください。隣に Virtual Input が作成されました! 後は、Multi View で、テキストタイトルのレイヤーを、閉演後の物に差し替え、インプットの名前を「蓋絵(閉演後)」に設定して完成です。

テキストタイトルを入れ替えずに、文言の編集をしてしまうと、先程作った蓋絵(開演前)のインプットも変わってしまうので注意してください。


(*) デバイスドライバレベルで仮想化がサポートされていれば複数作れます。が、原則はキャプチャデバイス一つにつきインプット1個です。

(3) 車載カメラパターン1

次は配信のメインとなる車載カメラのインプットを作成します。 先程と同様に、まずは Blank を作成してください。 そして、同じ流れになるので割愛しますが、「Multi View」の1番にCameraインプットを設定します。 更に、オーバーレイとして表示する静止画素材を4番に設定しました。 最後に、コメントビューワー(先程背景を抜いてクロッピングしたやつ)を7番に設定し、Positionを押して位置とサイズを調整します。 パターン1は画面右側に表示するので、右側に配置しました。 インプットに名前を付けるのを忘れずに。

(4) 車載カメラパターン2

車載カメラパターン1 から Virtual Input を作成して、4番の静止画像素材と、7番の Position を調整し、 インプットの名前を変更して完成です。位置調整は、プレビューエリアでドラッグして行う事もできますが、 単純な平行移動なら、Pan Xをスライダーで調整するのが楽だと思います。

以上で、インプットの仕込みが完了です。お疲れさまでした!

インプットが多くなってきたら、折りたたんで表示スペースを節約しよう。

インプットのタイトルを右クリックすると、下図の様に折りたたんでおくことが出来ます。また、縦になったタイトルを右クリックすることで展開できます。

5. Audioについて

ここまではビジュアル的な仕込みをしてきましたが、Audioってどうなるんだろう?と疑問に思っている方もいらっしゃると思います。 Audioの入力はいろんなシナリオが考えられ、使用しているデバイスにも寄るところがあります。 配信で扱うAudioには、大きく分けてAudio Inputデバイス(サウンドカード)から来る入力と、 キャプチャデバイスから映像と共にエンベデッド (*) で入力される物の二通りあると思います。

vMixのインプットは基本的に「映像にAudioがセットされている」という考え方になっており、「Audioのみのインプット」というのは有りません。 Audio Input を作成すると、「真っ黒な(正確には透明な)映像にAudioがセットされている」というインプットになります。 更に言えば、Audio Input に Multi View で映像を付け加える事さえできます。従ってインプット上では、全てが同じ物として取り扱えます。

デフォルトでは、親インプットにセットされているAudioと、その子孫(Multi View に入れたインプットから辿れる全てのインプット)にセットされているAudioは、 親インプットがアウトプットに出された瞬間に全てONになります(ミュート解除されます)。

そして、アウトプットから取り下げられた時、入れ替わりでアウトプットに出した物に、子孫累々も含めて該当のAudioがセットされたインプットが存在していなければ、 OFF(ミュート)になります。

要するにMulti Viewも含めてアウトプットにある限りONになり、無ければOFFになります。

この動作はインプットの設定で「General」→「Automatically mix audio」にチェックを入れるか否かで制御できます。 チェックを外すと手動でONしない限りそのインプットにセットされたAudioは鳴りません。 手動でONにする場合はインプットの「Audio」ボタンをクリックするか、Audio Mixierの該当Audioフェーダーにあるスピーカーアイコンをクリックして反転させます。

Automatically mix audioに設定されたAudioを手動でONにしたらどうなる?

アウトプットに無くてもAudioが鳴ります。一度アウトプットに出して「アウトプットから下げた」場合、自動でOFFになります。 逆も然りで、アウトプットにある状態でAudioを手動OFFにすると、ミュートされます。 一旦アウトプットから下げた後、再び「アウトプットに出す」場合、自動でONになります。

今回の例では、車載カメラのインプットにAudioがデフォルトでセットされている想定なので、何もしなくても配信に音は乗ります。 例えば別系統で、アナウンサーの音声を入れたい場合はどうするでしょう。 その場合は、Audio Input としてマイク入力、またはミキシングアウトを入力するラインINを追加し、 車載カメラインプットのMulti Viewに、このAudio Inputを追加します。 もちろん、Audio Input の「Automatically mix audio」にチェックを入れてください。

追加したてのAudio Inputは、デフォルトでONになるので、シーンによってON/OFFの自動制御をしたい場合は、 AudioまたはスピーカーアイコンをクリックしてOFFにしておいてください。

Audioの設定は別の回で詳しく解説したいと思います。


(*) HDMI等のデジタル接続は、ケーブル1本で映像と共にデジタルオーディオを伝達できます。これを、オーディオエンベデッドと言います。

6. 今回はここまで

という事で、vMixハンズオン第2回いかがだったでしょうか。今回はインプットの仕込みとAudio Inputについて説明しました。 インプットの設定についてはまだ半分も機能を説明してないので、こちらは別の回に回したいと思います。 (追記:第6回 にて Input の全容を説明しています)

インプットの仕込み作業は本番オペレーションのし易さを想定したものになるはずです。 最終的な画面には配信のシナリオに沿ったインプットだけが並んでいる事でしょう。 あとはそれを、適切な順番とタイミングでアウトプットへ出していくだけ、誰でもポチポチできる簡単なお仕事、という状態にするのが理想です。

次回はvMixにおけるAudioの詳細と、本番オペレーションを想定したショートカットの設定を解説したいと思いますので、 ご興味ある方は引き続きお付き合い頂ければ幸いです。

それではまた近々!

次回は → vMix ハンズオン【第3回】