OBS Studio プラグイン「SRC-Link ver0.6.0」外部コネクション及びストリーム録画の使い方

1. SRC-Link ver0.6.0

OBS Studio 用クリーンフィード管理プラグイン SRC-Link の ver0.6.0 をリリースしました。 対応する SRC-Link コントロールパネル(Web サービス)もデプロイ済みです。

0.6.0 で追加される主な新規機能は、外部コネクションストリーム録画 です。

これまでは OBS から OBS へクリーンフィードを送信するだけでしたが、外部コネクションを使用すると暫定的ではありますが、 OBS 以外の外部 SRT サーバー、例えば vMix や SRT MiniServer、Nimble Streamer 等にも送信できるようになります。

ストリーム録画は、ゲストがアップリンクで送信するクリーンフィードをローカルディスクに録画する機能で、 OBS 標準の録画機能と同様のファイル形式とファイル自動分割機能が使用可能です。 また、エンコーダーはクリーンフィード送信と共通なので計算リソースを節約できます。

ストリーム録画は無償の SRC-Link プラグインに標準搭載です。 外部コネクションも、フリープランを含む全プランで使用可能で、特に制限はありません。

また、0.6.0 からサブスクリプションプランの内容が変更となりました。 変更後のサブスクリプションプラン詳細は プラン一覧 をご確認ください。

2. 変更点リスト

  • 新機能: 「外部コネクション」を実装しました。SRC-Link コントロールパネルのレシーバー詳細で外部コネクションを作成・管理できます。 使い方は後述します。

  • 新機能: 「ストリーム録画」を実装しました。アップリンクのソース毎に録画を設定できます。使い方は後述します。

  • バグ修正: 作成直後のメディアソースがアップリンク映像ソースコンボボックスにリストされないバグを修正しました。

  • バグ修正: シーンがアップリンク映像ソースとして選択できないバグを修正しました。

  • 改良: スロットが変更されるたびにパスフレーズがランダム生成されるようになりました。

  • 改良: WebSocket の認証ロジックを修正して、トークンが期限切れになったらクライアントがログアウトされるようにしました。 これによりトークンが既に無効であるにも関わらず無限に再接続を繰り返す事が無くなります。

  • 改良: ドックUI を改善しました(ステータスにアイコンを追加)

  • サブスクプラン内容変更: 各サブスクリプションプランの内容が以下の様に変更されました。

    • フリープラン:
      • 最大メンバー数 / レシーバー: 8 → 12
      • 最大連続受信時間 / スロット: 1時間 → 2時間
    • サポータープラン:
      • 最大メンバー数 / レシーバー: 16 → 50
    • スタンダードプラン:
      • 最大メンバー数 / レシーバー: 48 → 150

3. 「外部コネクション」の使い方

「外部コネクション」を使うことで、OBS だけでなく vMix や SRT MiniServer、Nimble Streamer 等の外部 SRT サーバーに クリーンフィードを送信できます。 ゲストは OBS Studio の SRC-Link プラグインを使います。ゲストが vMix 等で送信できるようになる機能ではありません。

外部コネクションを加えたダイアグラム

外部コネクションは SRT の接続情報をコントロールパネルに手動で入力するので、SRT の基礎知識がある事が前提の機能です。 SRC-Link で管理されるので、接続情報をゲストに送付する必要はありません。

「外部コネクション」は SRC-Link コントロールパネルで追加を行います。 追加の前に、外部 SRT サーバーを立ち上げて SRT の受信設定を行ってください。

SRT サーバーの設定 (vMix の場合)

ここでは vMix を例に説明します。以下はソース 1 つ分の手順なので、必要なソース分繰り返してください。

  1. vMix を起動し、「Add Input」をクリック
  2. 「Input Select」ダイアログで「Stream / SRT」を選択
  3. 「Stream Type」を「SRT Listener」に設定
  4. 各入力フィールドを以下の様に設定してください。
    • Port: SRT を待ち受けする UDP ポートを1つ指定してください(同じサーバーでホストしている他のソースや、アプリと被らない様に注意)
    • Latency: SRT レイテンシパラメータをミリ秒単位で入力してください。   推奨される SRT のレイテンシはラウンドトリップタイム(ping)の 2.5 倍程度とされています。 レイテンシを増やすことで、ストリームの安定化に寄与しますが、代わりに遅延が増加します。
    • Passphrase: (任意) 必要に応じて SRT のパスフレーズを入力してください。 パスフレーズを設定すると通信が暗号化されます。従って接続に同じパスフレーズを使用した相手とのみ通信が可能です。
    • Stream ID: (任意) 必要に応じて ストリームID を入力してください。パスフレーズと同様にストリーム ID が一致しないと通信できません。
    • Key Length: デフォルトの 32 のままとしてください。
  5. 「OK」をクリック

以上で vMix の設定は完了です。

外部コネクションの追加

次に SRC-Link コントロールパネルで外部コネクションを追加します。 以下はソース 1 つ分の手順なので、必要なソース分繰り返してください。

  1. SRC-Link コントロールパネルにログインし、「ホスト」を開いてください。

  2. 外部コネクションを追加するレシーバーを選択してください。一つしかない場合は選択された状態になります。

  3. レシーバー下段の「コネクション」をクリックして開いてください。

  4. 「外部コネクションの追加」ボタンをクリック

  5. 各入力フィールドを以下の様に設定してください。

    • スロット: 外部コネクションを使用するスロットを選択

    • ソース: 外部コネクションを使用するソースを選択

    • サーバーアドレス: SRT サーバーのパブリック IP アドレスまたは DNS 名を入力(例: example.jp)

      ご注意: パブリック IP が変わるとゲストが接続できなくなるので、固定 IP や DDNS を使用することをお勧めします。

    • サーバーポート: vMix で設定したポート番号を入力

    • ストリームID: (任意) vMix で設定したストリームID を入力。使用しない場合は空欄のままとしてください。

    • パスフレーズ: (任意) vMix で設定したパスフレーズを入力。使用しない場合は空欄のままとしてください。

    • パラメータ: (任意) 追加の SRT パラメータを URL クエリ―形式で入力。使用しない場合は空欄のままとしてください。

      ご注意: mode パラメータは指定する必要がありません。ゲスト側は自動的に caller モードで接続します。

    • LANサーバーアドレス: (任意、環境により必須) ゲストが LAN からSRT サーバーに接続する場合は、 必ずプライベート IP アドレスを入力してください。

    • 最小ビットレート (kbps): ゲストが使用できるビットレートの最小値を入力

    • 最大ビットレート (kbps): ゲストが使用できるビットレートの最大値を入力

    • 横サイズ (ピクセル): クリーンフィードの横解像度をピクセル単位で入力

    • 縦サイズ (ピクセル): クリーンフィードの縦解像度をピクセル単位で入力

  6. 「保存」をクリック

以上で、指定したスロット・ソースが外部コネクションに割り当てられます。 ゲストを該当のスロットに割り当てると、クリーンフィードが外部 SRT サーバーに送信されます。

現バージョンの SRT-Link コントロールパネルは外部 SRT サーバーを制御する機能はないため、 ポート・パスフレーズ・ストリームID が間違っていると、スロットを割り当ててもゲストが SRT サーバーに接続できない状態になります。

ストリームID、パスフレーズは固定になる点を注意してください。 SRC-Link コントロールパネルが管理するため、これらの情報をゲストに伝える必要はありません。

各 SRT サーバー製品用の制御機能は、今後のアップデートで実装できればと考えています。

4. 「ストリーム録画」の使い方

「ストリーム録画」では、ゲストがクリーンフィードをホストへ送信するのと同時にローカルディスクへ録画できます。 エンコーダーはクリーンフィード送信と共通なので、計算リソースを節約できます。

OBS 標準の録画機能と同様に、ファイル名のフォーマットを指定することもでき、時間やサイズで自動分割することも可能です。 OBS が対応する各種ファイルタイプ(mp4, mkv, mov, ts)が使用可能です。

録画はデフォルトで OFF になっているので、アップリンクのソース毎に設定を確認してください。

  1. SRC-Link ドックのアップリンクソースの「ギア」アイコンをクリック
  2. 「録画」チェックボックスにチェックを入れる
  3. 「保存先パス」で録画ファイルの書き出し先を選択
  4. 「ファイル名フォーマット」でファイル名のフォーマットを指定。「?」アイコンにマウスオーバーするとプレースホルダの凡例が確認できます。 例: `
  5. 「録画フォーマット」でファイル形式を選択。
    • .mkv は OBS がクラッシュしてもファイル破損が起きないですがマイナーな形式で、
    • .mp4 はメジャーですが、クラッシュ時にファイル破損が起きる可能性があります。
    • Hybrid MP4 は .mkv.mp4 の両方の利点を持ちますが、 OBS でもベータ段階の機能で編集ソフトとの互換性問題が起こるケースがまれにあります。
  6. 「自動ファイル分割」を設定することで、任意の時間ないしファイルサイズで自動的にファイルを分割してくれます。 不要な場合は「分割無し」を選択してください。
    • 時間で分割 の場合は分単位で分割時間を入力
    • サイズで分割 の場合はファイルサイズを MB 単位で入力
  7. 「OK」をクリック。クリーンフィードは再接続が行われます。

録画はアップリンクがスタンバイの時とアクティブの時に行われます。 スタンバイとアクティブの切り替わり時は、録画ファイルが分割される仕様です。

尚、アップリンクソースの「目」アイコンをクリックして無効状態にすると、録画も停止します。

5. プレミアムプランのご案内

SRC-Link コントロールパネルはより多くのメンバーや、スロットを使えるようになる、有償サブスクリプションプランを用意しています。

基本的な機能が提供される安価なサポータープラン、通常のスタンダードプランから選べます。 プロプランは近日登場予定です。

プラグイン開発をサポートしていただける方は是非サポータープランにご加入ください!

詳しくは プラン一覧 をご参照ください。